抗インフルエンザウイルス薬
インフルエンザウイルスに有効な薬として2001年に登場した「タミフル」と「リレンザ」。長い間、ウイルスに効く薬は無いといわれてきた中で画期的なことでした。
しかしその使用法には注意があり、副作用も報告されています。インフルエンザの猛威から私たちを守るために、薬も正しく適切に使用する必要があるのは当然のことです。
抗インフルエンザウイルス剤の適用
タミフル、リレンザといった抗インフルエンザウイルス剤の登場は衝撃とも言えるものでした。それらが作られる前は、インフルエンザといえばひたすら安静にして高熱と体や関節の痛みといった辛い全身症状に、1週間かそれ以上も耐えるしかなかったからです。高齢者の場合は死亡率も高く、危険なウイルスでしたから、タミフル・リレンザはまさに救世主のようなイメージさえありました。
ただし、タミフルも万能ではありません。まず、インフルエンザのうち、効果があるのはA型とB型のインフルエンザに対してであり、C型については効果が無いことがわかっています(C型は普通問題にならないのでこの点は考慮する必要なし)。また、インフルエンザ以外のウイルスによる風邪症候群(冬に多い)や細菌性の風邪症候群には効きません。さらに、効果があるのは発症から48時間以内です。
タミフル(オセルタミビル)
用法・特徴など
A型とB型インフルエンザウイルスに効果がある、世界初の抗インフルエンザウイルス剤で、乳児用ドライシロップもあります。
服用の対象は大人、または体重が37.5Kg以上の小児で用法は1日1カプセル、1日2回服用で5日間の投与が基本です。服用後1日から2日で熱がひき、その結果罹病期間が短縮されます。インフルエンザウイルスの増殖に必須となるノイラミニダーゼというタンパク質を阻害すことで、ウイルスの増殖を抑制します。したがって、服用開始が早ければ早いほど効果的です。
3日で顕著な改善が見られることが多いのですが、体内のウイルスは感染後平均2〜3日後にピークとなり、5日後までは残っているため5日間服用することが望ましいとされています。
同居する家族がインフルエンザになり、自分もインフルエンザ感染すると症状が悪化するおそれのある人には予防的に服用が認められます。ただしいくつかの条件があり、誰でも服用ができるわけではありません。また予防の場合は保険適用にはなりません。
注意事項
タミフルを服用した10代の男性2人が異常な行動で事故死したことから、
16歳以下への適用が大きな問題になりました。
その後厚生省によって2,800人の小児らを対象に、
タミフル仕様群と未使用群とで異常行動についての
比較調査をしたところ有意な差がみられなかったことから
タミフルの安全性に重大な問題があるとは考えられていませんが、
なお危惧する声は多く処方は差し控えることが多いようです。
処方する場合は、医師は万が一の事故を防止するための予防的な対応として、
(1)異常行動の発現のおそれがあること、(2)自宅において療養を行う場合、
少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう
配慮することについて患者および家族に対し説明を行うことが必要とされています。
リレンザ(ザナミビル水和物)
用法・特徴など
これは白色パウダー状の円形ホイルパック入りの吸入用散剤で、1回2パックを1日2回、5日間、専用の吸入器を用いて吸い込みます。
注意事項
インフルエンザを発症すると、抗インフルエンザウイルス薬を服用するしないにかかわらず、インフルエンザ脳症等により錯乱や異常行動がおこるという報告があります。
また妊婦についての安全性は確認されていないので、処方に際しては医師と十分に話し合い納得の上服用しましょう。
薬の開発はさまざまな病気の驚異に対して希望となるものですが、すでにタミフルに耐性をもつAソ連型インフルエンザが確認されるなどウイルスもどんどんと変異してきます。それに対して私たちは、食事や睡眠に気を配って体の免疫力をできるだけ高めること、うがいや手洗いを習慣づけるという基本的なことをもう一度再確認しましょう。
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